新しいギターを購入する際に、「新品のギターと中古のちょっと良いギター」どちらを購入するかは迷うところです。見た目や音への個人の好み、演奏するジャンルによっても選び方が変わってくるからです。
そこで本記事では、「新品ギターと中古のちょっと良いギターはどちらがおすすめ?」というテーマでそれぞれのギターを紹介していきたいと思います。これからギターを購入予定の方は、本記事を参考にしてみてください!
新品ギターのメリットとデメリットを紹介
まずは新品ギターのメリットとデメリットについて紹介していきましょう。
新品ギターのメリット
・傷がなくて綺麗
・経年変化を楽しめる
・現代音楽に合う
新品ギターの一番のメリットは、傷がなくて綺麗な点です。どんな商品にも言えることですが、中古の少し傷がある物よりも新品の物の方が愛着が湧きやすいでしょう。ギターも同様で、自分がファーストオーナーになれる喜びは特別なものです。
また、新品のギターを購入すると経年変化を楽しめます。ギターは月日が経つにつれて音が変化してくる面白い楽器です。特に新品の状態から3年、5年と演奏していくと、その変化が顕著で面白いと感じると思います。自分がギターを育てている感覚を味わえるのも、新品ギターの魅力ですね。
そして、新品ギターは現代の音楽との相性が良いのもメリットです。ギターを制作するメーカーは、その年代ごとに流行りの音楽や求められている音を考慮してギターを制作しています。つまり、現代の音楽を演奏したい方は、新品のギターを使用した方が音の相性が良いと言えます。
新品ギターのデメリット
・ネックが反りやすい
・モダンな音楽に合わない
・中古と比べるとやや割高
新品のギターは、まだ木材が安定していないのでネックが反りやすいという欠点があります。ギターはチューニングをした状態を前提に設計されていますが、実際に弦の張力がかかると多少なりともネックが動いてしまいます。月日を追うごとにネックは安定しますが、最初はネックが反ってきたらこまめにメンテナンスをしましょう。
また、新品のギターは中古のギターと比べて音が若い機種が多いのが特徴です。そのため、モダンな音楽を演奏する際には新品のギターの音はやや浮いてしまう可能性があります。その時代の音楽は、その時代の楽器を使って演奏するのが一番ですね。
そして、当然ですが中古の同じグレードのギターと比較すると新品のギターはやや割高になります。スペックだけで比較するなら、中古のギターを購入する方にメリットがあると言えるでしょう。
中古のちょっと良いギターのメリットとデメリットを紹介
続いては中古ギターのメリットとデメリットについて紹介していきたいと思います。
中古のちょっと良いギターのメリット
・新品と比べてコスパが良い
・モダンな楽曲に合う
・音が成熟している個体がある
・現代にはない個性的なモデルがいっぱいある!
中古ギターの一番のメリットは、そのコスパの良さです。憧れのブランドのギターが欲しい時に、新品では高くて買えなくても中古だったら手が届くことがあります。近年は木材の減少で同じスペックでも徐々にギターの値段が高くなっています。それにともなって、中古ギターのコスパは反比例して良くなっている点も見逃せません。
そして、中古のギターは長年演奏されてきているので、音が成熟している個体がある点も魅力です。ヴィンテージを意識して制作された新品のギターよりも、本物の経年変化をしたギターの方がモダンな音がするのは当然ですよね。そのため、モダンな楽曲の演奏をするギタリストには中古のギターの音が合うでしょう。
また国産のなかにはジャパンヴィンテージという呼び名で呼ばれている良い物がたくさんあります!
Fender Japan初期のJVシリアル
GRECOのMint Collection
Fernandesの THE RIVIVAL
ARIAのPEシリーズなど
国産期のEPIPHONE マツモク製など
はもちろんビザールといわれる個性的なモデルなどもたくさんあります!
中古のちょっと良いギターのデメリット
・同じ個体でも当たり外れが大きい
・メンテナンスがいる
中古ギターを購入する際に気をつけたいのが、個体の当たり外れですね。同じ機種でも、前オーナーがどのようにギターを演奏してきたかによって状態が大きく変わるからです。特にネックとフレット、音のガリの有無は念入りにチェックしておくことをおすすめします。
購入時には問題が無くても、中古のギターは経年劣化によって中のポットやコンデンサーが消耗している可能性があります。購入して数ヶ月してから調子が悪くなっても、中古の場合は保証期間が短いので保証の対象外になってしまうことも。中古のちょっと良いギターは、少しずつメンテナンスをしながら長く使用していくと考えるのが良いでしょう。
新品ギターと中古のちょっと良いギターはどっちがおすすめ?
新品のギターと中古のちょっと良いギターで迷った時は、以下の点を基準にしてください。
・演奏する楽曲とジャンル
・予算
新品ギターは、ボカロやラウド系など、現代の音楽を演奏したい方におすすめです。シンセが鳴っているハイファイなサウンドやラウドな重低音にヴィンテージギターのトーンは相性が良くないからです。逆に、ブルースやジャズ、古い洋楽のコピーをしてみたい方には中古のちょっと良いギターの方がバンドサウンド的に合うと思います。
あとは予算との兼ね合いですね。どうしても欲しいブランドがあるけれど新品が高くて買えないという方は、中古で同じブランドのギターを探してみることをおすすめします。音やジャンルも大切ですが、好きなブランドやギターの見た目も本人のモチベーションに大きく関わるからです。
特定のバンドや演奏ジャンルが決まっていない方は、見た目や予算を優先して選んでみてください。その時気に入った音のギターを購入しても、所属するバンドや演奏するジャンルによって次のギターが欲しくなる可能性があるからです。カッコ良いと思えるギターは、誰にとっても魅力的なギターですからね。
現代音楽には新品ギター、モダンな音楽には中古のギターが合う
新品ギターと中古のちょっと良いギター、どちらにも優劣は付けられません。ギター選びで迷った時は、演奏するジャンルと予算を判断基準にしてみてください。
ギターを購入する際は、新品と中古どちらも置いてある楽器屋に行ってみると新しい発見があると思います。色々なギターを弾いて、これだと思える1本に出会いましょう。

著者 マイスター大崎

チバカン楽器 代表
ESPミュージカルアカデミーギタークラフト科リペアコース卒業後 ヤマハミュージックトレーディング内にてMARSHALLの修理会社の門をたたく。
勉強不足を感じ退社後 ROLANDの修理会社にて10年間ほどアンプ、エフェクターの修理業に従事。
退社後 地元の大型複合リサイクルショップ【千葉鑑定団】へ入社。店長を経験後 楽器専門【チバカン楽器】を立ちあげ今に至る。
愛機はFender TelecasterBass1969 、Chaki ウッドベース、
他ジャパンヴィンテージのギターを多数所持。趣味は【H2Y Labolatory】名義でエフェクターの改造や製作をしている。
電線や古いコンデンサー好きで特にオイルコンデンサーの匂いが好き。エロくて変態ということはベーシストの特徴。