チバカン楽器コラム【ジャパンヴィンテージギター】
1. ジャパンヴィンテージギターとは
どうも、チバカン楽器 マイスター大崎です。今日はジャパンヴィンテージについて。
1,ジャパンヴィンテージギターとは
日本製のヴィンテージギターを意味してそれを指します。
実はエレキギターは1950年あたりから日本で製造されておりGIBSONやFENDERとあまり変わらない歴史があります。しかし、ジャパンヴィンテージという一般的な使われ方の場合通常、1970年代から1980後半にかけて製造され、特に高品質な物を指すことが多いです。
対して、コピーではないものや楽器としての造りに限界がある物、古い味のあるギターは良い意味でビザールといわれて使い分けがされていることが多いです。
そもそもいつごろから言われるようになったのか?
ジャパンヴィンテージという言葉ですがギター以外の他のジャンルでもあるものの
2003年10月にシンコーミュージックが刊行した【ジャパン・ヴィンテージ】という本がでてから加熱したと言われています。
そこで特集されたものを中心に
Fender Japanの1982からの【JV】 Serialや【E】Serial
GRECOの1980年あたりから始まる【Super real】1982からの【Mint Collection】やオリジナル【GO】シリーズ
Fernandesの70年代後半の【石ロゴ】1981年から始まる【THE RIVIVAL】【THE FUNCTION】
TOKAIの1977年から販売の【Les Paul Reborn】1980年の途中から【Reborn OLD】を経て【Love Rock】
ARIAの【Leo Pard】やオリジナルの【PE】シリーズなど
IBANEZのARなど
が特にジャパンヴィンテージとして認知されているようです。
最近、古いギターが高いなぁと思った方も多いのでは?
というより、ギター全般高くなっております。日本の円の価値が低くなったともいえますが1$150円近いですからね。昔はFenderJapanのバスウッドのストラトだとJ-Ctarfシリーズが¥30000円台で普通に変えました。今、バスウッドでも新品10万円以上します。
とはいえ昔そのくらいで買えたギターが今や5万以上。当時¥5万円くらいのギターは10万円付近です。海外から見れば日本円は安く買えるのでジャパンヴィンテージでなくても日本の市場で買っていっています。そして投資のの句的で海外の方が買っていく事が多くなりました。そしてこの 海外への流出が今、問題視されています。国内での取引がされていればいずれ中古として手放す方もいるのですが海外へ出ていったものは基本的に日本へは戻ってきません。その為デジマートでさえ 昔あんなに流通していたジャパンヴィンテージのギターの数はどんどん減ってきています。対照的に海外輸出がしにくいアコースティックギターのジャパンヴィンテージ物は流出が少ないのですがなぜなら海外へ送る際に割れる可能性が高くリスキーだからです。その為日本でしか需要が無いので価格が下がってしまった物も多くあります。例として有名なYAMAHAの赤ラベルは分かりやすさや流通量が多かったため一時期高騰しましたが海外需要が少なく当時の弦高の基準が高いので今のプレイスタイルとは合わずに需要供給とともに相場が落ちついてしまいました。
1990年代はジャパンヴィンテージとなるのか?
近年1990年代に流通した物でも一部呼ばれ始めているものの中国産や韓国産も多く存在する為あまりジャパンヴィンテージとは言われません。がしかし、日本のアーティストモデルは近年瀬さん本数の少なさから高騰しております。Fernandesのhideモデルをはじめ、当時のヴィジュアル系などの特に高額なモデルは少なく当時の価格を超している物も多くあります。対象的に 海外アーティストモデルやアレンビック、BCリッチのコピーはジャパンヴィンテージとして扱われていることが多いです。 また、アジア系工場に進出する際にに日本の技術者も関わっていることも多く実は造りが良かったものもあり、FenderのKOREA、CHINA産はプレミアがついている物も出てきていますので侮れません。
国産の90年後半のアイバニーズなど圧縮材で出来た国産ギターもあるので何でもよいわけではないですね。実際に物がよければプレミアがついていくと思っております。
2. 購入時の注意点
状態の確認: ジャパンヴィンテージギターを購入する前に、楽器の状態を詳細に確認しましょう。
傷、亀裂、塗装の剥がれ、ネックの歪みなどを注意深く調査し、修理が必要かどうかを判断します。
特に40年近く弦の張力を受け続けたネックの状態は悪くなっている物が正直、ほとんどとなっております。
ヤフオク、メルカリなどで出回っている物のほとんどは12fで弦高1.6mmにしようものならば音詰まりを起こす事でしょう。
特にネックのつけ根は【腰折れ】【ハイ起き】と呼ばれ弦高を低くした時に入ポジションが音が詰まることで気が付くことがありますが
目視では慣れないと判断は難しいと思われます。
そもそもあまり良い物でないから手放すわけですし、そういうものが時を経ても状態が良いから高い値段で取引されています。
近年は情報がすぐ手に入る事から楽器屋だけではなくリサイクルショップでも
気にせずなんでも高い値段が付き始めてしまったことも事実と思われます。その為、疑問を持ち始めた人たちがジャパンヴィンテージを疑問視している事を散見します。
実際に50年代のヴィンテージギターは70年も立つわけですからフレット、ナット、ロッド交換されている事も多いです。
40年たてば当たり前と言っては当たり前ともいえますが。
また、1970年後半からのものは本家とほぼ同じ構造と大きさ、長さだったりしますので本家と比べ易いですし、リプレイスパーツも使えるようになります。特にセレクタースイッチやピックアップは古いと規格が違うためリプレイスが出来ないものが多くあります。
ネックとボディのニコイチ、サンコイチは結構あります。悪意がある場合もありますがどうしても使いたい場合 エリッククラプトンがそうであったように複数個の良い物を選定して使って組み込んであることがあります。するとスタンプが違ったり、ネックポケットの面が合わないことやセンターがズレている事があります。
3,ジャパンヴィンテージの楽しみ方
年代特定
まずはギターのシリアルナンバーを確認して、製造年やモデルを特定しましょう。シリアルだけでは分からない場合もおおくあります。各メーカーにより違いますが約半分くらいのブランドは判明する事でしょう。それではわからない場合、カタログを見比べていく事で判定できることが多いのです。ロゴの形、ペグの形、材のつなぎ合わせかた。カタログ自体が違う事や若干、年代がズレていることも多いので推測も大事です。特にレスポールタイプは 【単板削りだし】という表記が見られますが 無垢材を削り出すのでは無く、当時アーチドトップを曲げて貼るといった中身が空洞の物も多く存在したため、その対となる上位機種に 複数の板をプライし重ね合わせ単板として削り出すという意味の物もあります。
弾き心地
実際に楽器を試奏して、音質や演奏性を確認しましょう。1980年付近はフェンダーやギブソンはLEADやCORVUS、KATANA、SWINGER、などロックテイストからハードに向かっていく音楽に対してギターを作っていたため、重い材を採用したり、フロイドタイプブリッジといった仕様に対し 、日本製品は当時リアルビンテージなシリーズを作る傾向にありました。その為 指板のRがきつかったり、フレット数は21フレットと今では使用に制限がかかる事が多くあります。
ギターは個体によって異なるため、自分の好みに合ったものを見つけることが大切です。本当にヴィンテージが欲しいのかどうかがポイントとなります。
これに気が付かない販売業者も多いです。
サウンドの魅力
ジャパンヴィンテージギターは独自のサウンドを持っています。独特の音質を楽しんでください。ヴィンテージだから良いというわけではなく本家とはまた違った異なる音を持つので良いと思われます。
また、あたり個体と呼ばれる物も多く見かけております。ラッカー塗装ではなくても物凄く鳴る物にも何本も出会ってきました。そんな宝探しを楽しんでください。
コレクションの構築
ジャパンヴィンテージギターはコレクションの一部としても楽しめます。希少なモデルや限定版を見つけ、コレクションを構築することで、楽器の歴史と多様性に触れることができます。是非、中身の隅々まで開けてサイン、スタンプの種類、配線の仕方など眺めて楽しんでください。
メンテナンスとケア:
ジャパンヴィンテージギターは時間が経っているからもうネックが安定しているでしょうという話をよく聞きますが
そういうわけではなく、現存して捨てられず使われている個体は程度が良かったあたり個体が残っているとも言えますが
殆どが やはり木で出来ていますので適切なメンテナンスが必要です。定期的な弦交換、保管時の湿度管理、クリーニングなどを怠らないようにしましょう。
演奏と創造性
ジャパンヴィンテージギターは音楽制作や演奏に使うことができます。自分の音楽を創造し、楽器のポテンシャルを最大限に引き出すことを楽しんでください。
コミュニティ参加:
ジャパンヴィンテージギター愛好家は非常に多くSNSでのコミュニティも多いです。情報交換や共感を楽しむことができます。他のプレイヤーやコレクターとの交流は、楽しみを共有する素晴らしい方法です。
信頼性のある販売先かどうか
ジャパンヴィンテージギターは信頼性のある販売先で購入することが重要です。専門の楽器店や確認済みのオンラインマーケットプレイスを利用しましょう。
また、80年付近はピックアップのDimarzioのSuperDistortionが流行りその後セイモアダンカンピックアップが流行ることによりパーツの交換が流行りオリジナルパーツではないことが多々あります。
その為の情報をチバカン楽器ではネックポケット、ピックアップザグリの写真もアップしておりますのでご参考頂ければ幸いです。
またメンテナンスを自社で行っており本当に弾きにくい物、使用に足らない場合はフレッットすり合わせ、ナット交換、電気パーツをUSA製に交換などしております。
ジャパンヴィンテージギターは音楽愛好家やコレクターにとって魅力的な選択肢です。適切な購入とケアを行い、その美しい音楽と歴史的な価値を最大限に楽しんでください。
ジャパンヴィンテージを売るのであればチバカン楽器へ
ジャパンヴィンテージのお買取りであればチバカン楽器へお持ちください。過去の経験も多く寄り添ったお買取りが出来るかと思います。お持ち込みの買取もしていますが
宅配買取もしておりますので全国区の買取が可能です。
買取はこちら↓
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【フェンダージャパン研究ブログ】MADE IN JAPANとCrafted in Japanから解き明かされる【J-CRAFT】シリーズの新事実。

著者 マイスター大崎

チバカン楽器 代表
ESPミュージカルアカデミーギタークラフト科リペアコース卒業後 ヤマハミュージックトレーディング内にてMARSHALLの修理会社の門をたたく。
勉強不足を感じ退社後 ROLANDの修理会社にて10年間ほどアンプ、エフェクターの修理業に従事。
退社後 地元の大型複合リサイクルショップ【千葉鑑定団】へ入社。店長を経験後 楽器専門【チバカン楽器】を立ちあげ今に至る。
愛機はFender TelecasterBass1969 、Chaki ウッドベース、
他ジャパンヴィンテージのギターを多数所持。趣味は【H2Y Labolatory】名義でエフェクターの改造や製作をしている。
電線や古いコンデンサー好きで特にオイルコンデンサーの匂いが好き。エロくて変態ということはベーシストの特徴。