どうもチバカン楽器 大崎です。
近日
お客様から 『このFERNANDESはTOKAI製ですかね?KAWAIですかね?』と聞かれまして
マイスター「これはたぶん河合ですねー」という会話をしていまして。
そもそもFERNANDESは商社で工場を持たず、カワイ楽器、東海楽器、ヘッドウェイ、鈴木バイオリン、PGM(プロフェッショナルギター マニュファクチュア)、マツモク工業などでOEM製造されているとなっています。
ふと この資料ってどこにもないのではと思いましてつらつらと書いていきます。
日々 何本もの中古を扱っているチバカン楽器は中を開けてチェックしているので資料がたくさんありますのでご参考までに。
東海楽器 TOKAIのスタンプ
TOKAIの製造スタンプ。
横に長い特殊な書体。
まずは実際にTOKAIのギターで東海製造のスタンプを見てみましょう
Tokai Silver Star SS-40 1979年製のネックやポケット
こちらは80年代の
Robin Guitars RV-2 Cerry Sunburst Made by Tokai 80年代初期の中身
こちらは確実にTOKAIのスタンプで特徴は横長のスタンプ。
ROBINは逆輸入ギターで東海楽器が初期請け負っていて有名です。
Tokai HARD PUNCHER PB-40 Black 80年代製 ローズ指板のネック部分。
ハイフンも特徴的。
Mosrite 1965 VENTURES Model FILLMORE
こちらも黒雲か東海が造っているとなってはいるが証拠がネックポケットにある。
その時のMADE IN JAPANスタンプはこちら すこし 縦長の細いスタンプ。
河合楽器 KAWAI のスタンプ
KAWAI Rockoon RF-37 Tomato Red 80年代にあったモデルで河合楽器の特徴的な書体のスタンプだ。
大きめの数字。縦に引くときに太く横に引くとき細い。クルっとなっている。
うって変わってこちらは
FERNANDES FST-60 Brown Sunburst 1970年代後半~1981年製 石ロゴ期
書体からは難しいがおそらく河合
なので初期の70年には河合は造っていたようですね。
FERNANDES TE-95HT ブラックライン アルダーボディ 1990~1993年製 初期型
こちらも同じくであろうスタンプなので河合製造という事となる。
1982年付近の
FERNANDES RST-50’64 MODEL Custom Order CAR 消えロゴ期 1980年代製
のネックポケットがこちら。【64】の文字が一致
FERNANDES MG-80X “X”hideモデル Blackのネックポケットにも
こちらも河合楽器スタンプ。おそらく90年前半だろう。
Burny MG-165S hide MODELもこのスタンプだった。
様々なネックポケットのサイン
90年代に入るとほとんどのギターにネック裏にもにカラーの塗装がされておりスタンプがありません。
【布袋モデルのTE-95HT(TE-115HT)】
1990年前後に製造開始された布袋モデルのTE-95HT。
初期モデルはアルダーボディで、1994年を境に中期モデルと呼ばれるボディ材がバスウッド、指板が400Rから350Rへと仕様が変更されました。
さらに2000年代後半にはスペックは中期モデルと同じですが、木材の値上げによりTE-115HTと名称を変更して後期モデルと呼ばれています。
本商品のボディはバスウッドを使用しており、中期モデル以降のボディであると判断しています。
という一本があったので こちらの写真はこちら
ダイナのスタンプでもない。
Bacchus Custom Guitar BJB 5弦ベース 限定モデル 旧ロゴ期 1990年後半から2000前半のモデルにはネックがわにこのような赤いマジックで殴り書き。
もしかしたらディバイザー工場の物かもしれない。
ちなみにMOONを造っているPGMは赤マジックで書いてあります。
Moon ST Type EMGピックアップ搭載 Cherry Sunburst 1980年代~90年代前半製造
こちらはヴィンテージ80年代のマツモク製
マツモク工業は1987年で閉鎖した工場ですが
Aria Pro II CSB-380 White
1986年製といわれる6から始まるシリアルなのですが
56年つまり昭和56年=1981年となるとカタログと一致するので
昭和表記なのでは?と思いますが今回はスタンプについて
太めで縦長、そして均等な太さが特徴です。
実際どうなんでしょうか?
近日の国産FERNANDESはザグリがダイナと似ているという情報もあるがまだ確認は出来ていません。
中国工場への移行
2011年とおもわれるFERNANDES DECADE-85 SID Shinjiモデル
おそらく中国へ移行している。安価な電子パーツで構成されているのが分かる。
逆に2014年
FERNANDES RAVELLE STD AR MTB 2014年製
こちらは中国工場なので手書きとなっている。
というわけで70年代後半から近年まで見てきましたが
スタンプで東海製造か河合楽器かは明らかにわかることが分かりました。
KAWAIのROKOONが河合の工場で造っているとしたら
そのFERNANDESのほとんどを河合が造っているとなりますが
河合のギター製造はずいぶん前に撤退しています。
いつまで造っていたのか?
河合のROCKOON自体がTOKAIが造っていて途中からスタンプを変えたとなると辻褄もあってくると思います。
実際のところよくわからない。
当事者のみぞ知る。
当事者は口止めされているのだろうけど。

著者 マイスター大崎

チバカン楽器 代表
ESPミュージカルアカデミーギタークラフト科リペアコース卒業後 ヤマハミュージックトレーディング内にてMARSHALLの修理会社の門をたたく。
勉強不足を感じ退社後 ROLANDの修理会社にて10年間ほどアンプ、エフェクターの修理業に従事。
退社後 地元の大型複合リサイクルショップ【千葉鑑定団】へ入社。店長を経験後 楽器専門【チバカン楽器】を立ちあげ今に至る。
愛機はFender TelecasterBass1969 、Chaki ウッドベース、
他ジャパンヴィンテージのギターを多数所持。趣味は【H2Y Labolatory】名義でエフェクターの改造や製作をしている。
電線や古いコンデンサー好きで特にオイルコンデンサーの匂いが好き。エロくて変態ということはベーシストの特徴。