音をつなぐ仕事──中古楽器と「愛器」「愛機」の話
きっかけは、ふと「あいき」って漢字変換したときのことでした。
「愛機」と「愛器」って、どっちも“あいき”だけど、意味が違うんですよね。それが気になって、改めて考えてみたんです。
僕らは千葉・船橋で小さな楽器屋「チバカン楽器」をやってます。
中古楽器専門店として、ただ楽器を売ったり買ったりするだけじゃなくて、スタッフみんながいつも意識してることがあります。
それは、「楽器に込められた“愛”を、次の人につなげる」っていうこと。
中古楽器って、前の持ち主が大切に使ってきた“愛器”や“愛機”なんですよね。
だからこそ、僕らはその楽器をしっかり修理・メンテナンスして、ちゃんと価値をつけて、納得してくれた人に手渡す。
それが僕らの仕事であり、使命だと思ってます。
中古楽器販売って、実はすごく難しい
新品の楽器は、工場から届いたばかりの“まっさら”な状態。
でも中古楽器は違います。前の持ち主の演奏のクセ、使い込まれた跡、そして思い出が詰まってる。
楽器って、使えば使うほど音が育つんです。木の鳴りが深くなったり、金属の響きが柔らかくなったり。
その微妙な違いは、機械じゃ測れない。だからこそ、その楽器にしか出せない“音”がある。
でも、それを次の人にちゃんと伝えるのって、簡単じゃないんです。
状態を見極める目、修理する技術、そして「この楽器はどんな人に合うか」を感じ取る力が必要。
お客さんが店に来たとき、服装や歩き方、話し方から「どんなジャンルが好きそうかな?」って考えて、
「どんな音楽やってるんですか?」って声をかける。
その人にぴったりの楽器を頭の中でシミュレーションして、提案する。
そんなふうに、楽器と人をつなげることを大事にしています。
愛器と愛機──誰かの人生が詰まった道具
中古楽器の中には、前の持ち主にとっての「愛器」や「愛機」があります。
ライブで使われたギター、宅録で活躍したシンセ、ツアーを共にしたベース──それは、音楽家の人生そのもの。
だから僕らは、そういう楽器を扱うとき、「誰かの音楽人生の続きを、別の誰かに託す」って気持ちでいます。
まるでバトンを渡すような感覚です。
「このギター、前のオーナーはジャズやってたんですよ」
「このシンセ、宅録で使われてて、音作りにこだわりが詰まってます」
そんな一言が、次の持ち主の心を動かすこともあるんです。
楽器に込められた物語が、新しい音楽の始まりになる──それって、すごく素敵なことだと思います。
愛器──音に魂が宿る
「愛器」っていうのは、【愛 あい】に【器 うつわ】と書く言葉で
「楽器」っていうのは、【楽 たのしい】に【器 うつわ】と書く言葉
どっち?って迷わうことがあったら楽器に器がつくからこっちだなと考えるのが合っていると思います。
楽器で愛器と呼べるのは ギターやピアノ、ドラム、管楽器みたいな“音を奏でる道具”のこと。
演奏者の感情や表現を音に変える、まさに“声”のような存在です。
木の鳴り、弦の張り、音の立ち上がり、金属の共鳴──演奏者の指先や息遣いに応じて、まるで生きてるみたいに反応する。
長年使い込むことで音色が変わり、傷や汚れもその人の歴史になる。
「愛器」って、ただの道具じゃなくて、“愛”を封じ込めた“器”なんですよね。
それはもう、自分の一部みたいな存在です。
愛機──信頼できる相棒
「愛機」は、カメラやPC、バイク、車、ゲーム機みたいな“機械的な道具”に使われる言葉。
楽器で言えば、エフェクターやアンプがそれにあたります。
エレキギターやベースは、シールド→ペダル→アンプ→スピーカーって流れで音が出る。
全部ひとまとまりで“楽器”って考えることもあるけど、ペダルやアンプはまさに「愛機」って呼べる存在。
「愛機」には、どんな環境でも応えてくれる性能、手に馴染む操作感
「こいつとならやれる」っていう信頼感がある。
機械なのに、まるで相棒みたいな存在なんです。
音楽をつなぐ仕事──人と人を結ぶ橋
楽器屋のスタッフって、ただの販売員じゃないと思ってます。
楽器を通して、人と人をつなぐ“橋渡し役”なんです。
たとえば、初心者の高校生が中古ギターを探しに来たとします。
予算は限られてるけど、音楽への情熱は本物。
そこに、かつてプロを目指してた人が手放した「愛器」がある。
ライブを乗り越え、レコーディングで使われ、ツアーの車の中で振動や暑さに耐えてきたギター。
そのギターが次の世代の音楽家の手に渡ることで、音楽の火は消えずに灯り続ける。
それって、楽器屋だからこそできる“音のリレー”なんです。
楽器に宿る“愛”を伝える
「愛器」や「愛機」って言葉には、使い手の情熱や記憶、音楽への愛が込められてます。
中古楽器販売は、その“愛”を見つけて、磨いて、次の奏者に手渡す仕事。
音楽を愛する人の人生に寄り添う、すごく大切な仕事だと思ってます。
チバカン楽器の取り組み
チバカン楽器では、そんな「愛器」や「愛機」と呼ばれることを目標に販売・買取しています。
スタッフはYouTube、TikTok、InstagramなどのSNSで顔を出して、
「動画で見た人だ!」って思ってもらえるようにしています。
千葉まで来られない方にも、「こんな人たちがメンテしてるんだ」「こんな想いで仕事してるんだ」って知ってもらって、
オンライン注文や出張・宅配買取も安心してお願いできるようにしています。
最近、出張買取に行くと「相見積もりしてます」って言われることがあるんですが、
理由を聞くと「CMで見た業者に頼んだら、楽器を知らない人が来て、すごく安い値段を提示された」と。
それで「おかしいな」と思って調べて、チバカン楽器にたどり着いた──そんな声をいただくこともあります。
そんな時に出来るだけ 真摯に対応できるようにいつも考えています。
もし、金額や対応に不安を感じたら、ぜひチバカン楽器にご相談ください。
チバカン楽器 大崎
📞 TEL:0120-954-550
🕙 営業時間:10時〜22時まで

著者 マイスター大崎

チバカン楽器 代表
ESPミュージカルアカデミーギタークラフト科リペアコース卒業後 ヤマハミュージックトレーディング内にてMARSHALLの修理会社の門をたたく。
勉強不足を感じ退社後 ROLANDの修理会社にて10年間ほどアンプ、エフェクターの修理業に従事。
退社後 地元の大型複合リサイクルショップ【千葉鑑定団】へ入社。店長を経験後 楽器専門【チバカン楽器】を立ちあげ今に至る。
愛機はFender TelecasterBass1969 、Chaki ウッドベース、
他ジャパンヴィンテージのギターを多数所持。趣味は【H2Y Labolatory】名義でエフェクターの改造や製作をしている。
電線や古いコンデンサー好きで特にオイルコンデンサーの匂いが好き。エロくて変態ということはベーシストの特徴。